絵を描くための基礎の基礎を学べるーB・ドットソン『デッサンの55の秘訣』ー

主が最初に紹介したい技法書はこれです。

B・ドットソン(著),田辺晴美(訳)『デッサンの55の秘訣』エルテ出版 1991年


絵を上手く描くにはどうすればいいのか?―

絵を独学で学ぶ人にとって、これは永遠のテーマだと思います。

 


「描けば描くほど上手くなるから、描き続けることだ」

というのが巷でよく言われる上達論なんですが、

主はかれこれ子供の頃から何年も絵を描き続けているにも関わらず、

どーーーーーしても「上手い絵」というものが描けない。

 

いわゆる「素人臭さが抜けない絵」から脱出できないのです。

 


これはもう基礎から学びなおすしかないと思っていた時期に、この本と出会いました。

 

以前、絵画入門書としては有名な


ベティ・エドワーズ(著),野中邦子(訳)『決定版 脳の右側で描け』河出書房新社 2013年


を読んで、<描く対象をシンボル化(言語化)しないで描く>という方法を知ったのですが、

『脳の右側で描け』は説明文がやや冗長な所があり、なかなか練習方法を示した部分まで

たどり着けず、イライラした覚えがあります。


『脳の右側で描け』は理論書としてはいいのでしょうが、

実践をガツガツやって、ガリガリ画力を上げたいぜ!

という人には文字だらけの本という印象を与えてしまいがちです。

 

しかし、ここで紹介する『デッサンの55の秘訣』は、

『脳の右側で描け』とほぼ同様の方法論を紹介しながら、

文章的にもったいづけた印象が無く、課題もテンポよく配置されており、

スムーズに実習に移れるよう構成されています。

 

また各章の終わりに課題に対しての自己評価シートが設けられており、

客観的に自身の問題点を洗い出せる点も好印象!

 

内容的にも非常にコンパクトかつバランスよくまとまっているのも特徴で、

輪郭線・遠近法・陰影・構図など、

絵を描く上で基礎となる知識が一通り掲載されています。

 

もし今まで絵を描いたことが全く無く、これから絵を趣味にしていきたい人は

入門書として、この本を強くオススメしますね。


絵を長年描いてきて自分にとっても、

絵を上手く描くためのノウハウとはこういうことだったのか

と目からウロコが落ちたぐらいです。


この本を足がかりに、各技法のもっと深い部分は他の本に任せるという形にすれば

まず間違いないんじゃないかなーと思いますね。

 

 


B・ドットソン(著),田辺晴美(訳)『デッサンの55の秘訣』エルテ出版 1991年

第一章 デッサンのプロセス
第二章 画家の「筆跡」
第三章 プロポーション:ものの計算
第四章 光の錯覚
第五章 奥行きの錯覚
第六章 テクスチュアの錯覚
第七章 パターンと構図
第八章 描くことと想像力